不良系幼なじみとの甘い恋愛事情
初めて会った時、腕に触られた時は嫌な感じがしたけど
今はそんなことはなかった。
それは
ハルを纏う雰囲気が柔らかいものだとわかったから。
「あなたじゃなくてハルって呼べっつったろ?俺、ナンパはするけど軽くねぇし」
い、いやいや……。
それ、思いっきり軽いじゃん。
じとっと睨み付けると、ハルは目を細めて顔を綻ばせた。
顔が整っているせいで、なんとも思ってなくてもドキッとする。
「ぷっ、冗談だよ。声なんかかけなくても女なんかいくらでも寄って来るし。選び放題、みたいな?」
「なにそれ、最低‼」
さすが、おモテになりますこと。
やっぱりただの軽い奴でしかないのかも。
「でも────」
もう一度睨み付けようとしたその時、ハルの顔が急に真剣なものに変わった。
「美久に声かけたのはマジで可愛いと思ったからだよ」
「はいはい、ありがとね」
真剣な顔でそんなこと言われてもね、冗談だとしか思えないって。