不良系幼なじみとの甘い恋愛事情
すれ違う心
あれから1週間。
今まであった愛翔との接点がなくなり、あたし達は一切話さなくなった。
同じ教室にいても目さえ合わない。
その存在を意識しているのはあたしばっかり。
どこにいてもなにをしてても愛翔の存在が気になってしまう。
「また来てるよ、白崎さん」
まどかの言葉に愛翔の席の方をちらっと見つめる。
「長谷川く〜ん、今日一緒に帰ろう?」
なんて甘えた声を出す白崎さんの姿と、それほど嫌そうじゃない愛翔の顔を見てチクッと胸が痛む。
「気が向いたらな」
「え〜、そんなこと言わずにさぁ。迎えに来るし〜」
あたしの視線に気付いた白崎さんは、ギロリと鋭い目であたしを威嚇した後わざとらしく愛翔の腕に触れて見せた。
そんな2人の姿を見ていたくなくて、とっさに席から立ち上がった。
「ごめん、トイレ行って来る」
まどかにそう言って教室を出る時、勝ち誇ったような顔をした白崎さんと目が合った気がした。