不良系幼なじみとの甘い恋愛事情
「いらっしゃい」
あたしの姿を見て、タバコ片手に目を細めて笑うハル。
暑いのによくこんなところにいられるな。
屋上のアスファルトにはかなり熱がこもっていて、じっとしててもかなり暑い。
「どうしたんだよ、んな暗い顔して」
無言でハルの隣に腰を下ろしたあたしは、明るすぎる金髪に思わず目を細めた。
いつ見てもすごい色だな。
「別になんでもないよ。ただ外の空気が吸いたくなっただけ」
「ふーん、そっか」
深く追求せず、あっけらかんと言うハルの軽いノリが今のあたしにはちょうどいい。
「もうすぐテストだよな……それが終われば夏休みだけど、俺絶対補習になりそう」
ガックリうなだれるハル。
「こんなとこでサボってばっかいるからじゃん」
「うわ、ひどっ。美久って意外と言うことキツイんだな」
「だって本当のことでしょ?」
「まーな」
そう言ってハルはタバコの煙を吐き出した。