不良系幼なじみとの甘い恋愛事情
足早に歩く愛翔に引っ張られながら、小走りで必死に後を追った。
襟足が跳ねた明るい茶髪の髪。
着崩した制服の後ろ姿。
あたしの腕を掴む男らしい愛翔の手。
そんな愛翔から漂う不機嫌そうなオーラ。
そうさせたのは
あたし……?
だけど
もうどうしようもないくらい好きなんだ。
なぜかって聞かれるとわからない。
いつの間に好きになっていたのかさえも。
愛翔の好きな人って誰なんだろう。
ふと白崎さんの顔が頭に浮かんで胸の奥の方がキュッと疼いた。
「白崎さんと付き合ってるの?」
ずいぶん仲が良さそうだったし。
「お前には関係ねぇだろ」
突き放すようなその口調に胸がズキッと痛む。
「教えてよ、気になるから」
「付き合ってるっつったら、嫉妬してくれんの?」
「えっ……?」
嫉妬……?