不良系幼なじみとの甘い恋愛事情
アイツの隣
夏休みを直前に控えた暑い日のこと。
「聞いた?白崎さんと長谷川君が付き合い始めたって」
「聞いた聞いた‼すっごい噂になってるもん」
「びっくりだよね‼」
教室のあちこちでそんな声が聞こえる。
その度に現実を突き付けられて、あたしの胸は苦しくなる一方。
きっと今日はどこのクラスもその話題で持ちきりだろう。
そんなことを考えると途端に嫌になって、あたしは逃げるように教室を飛び出した。
屋上に出ると、まだ朝だというのにきつい日差しがアスファルトにジリジリ照りつけていた。
暑いのは苦手だけど、あの教室にいるよりはマシか。