不良系幼なじみとの甘い恋愛事情


「泣いていいから」



「えっ?」



耳元で小さく聞こえた声。


思わず目だけでハルの顔を見上げる。



眩しいくらいの金髪と優しく笑う口元。



「ダチとして胸かしてやるっつってんだよ。だから思いっきり泣けば?」



あたしを見下ろすハルと目が合った。



「……ありが、とう」



ハルの言葉に涙が流れた。



本当はずっと泣きたかった。


泣いて


辛い気持ちを誰かに聞いて欲しくて。


でも誰にも言えなくて。


苦しくて。


切なくて。


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