不良系幼なじみとの甘い恋愛事情
繋がる心
その日の夜。
結局どこにも出掛けなかったあたしは、同じように家でぼんやりしながら過ごしていた。
考えるのは愛翔のことばかり。
どこに行ったんだろうとか、何食べたんだろうとか。
白崎さんの前ではどんな風に笑うんだろうとか……。
考えなくてもいいことまで考えて、さらに気分が沈んだ。
「美久ー、スマホ鳴ってるよ」
リビングのソファーでウトウトしていたあたしは、ママのそんな声にハッと意識を取り戻した。
誰だろ?
まどかかなぁ?
起き上がってスマホを手にすると、画面には意外な人の名前が映し出されていた。
どうしたんだろ……。
「もしもし?」
「よ‼久しぶりだな」
スマホの向こう側からは無邪気で明るいハルの声。
周りはワイワイガヤガヤうるさくて、外にいるんだろうなってことがわかった。