不良系幼なじみとの甘い恋愛事情


ハルとはお祭りがある神社の近くの公園で待ち合わせた。



公園までの道のりを歩いていると、浴衣姿の人がちらほらいた。



「お、浴衣じゃん‼馬子にも衣装だな」



待ち合わせの10分前だというのにすでにハルは来ていて、あたしを見るなり笑顔でそう言った。



「失礼な……でもお祭りと言えば浴衣でしょ」



「まーな。美久が着るんなら俺も着てくれば良かった」



ジーンズにTシャツ、足元にはスニーカー。


ハルの私服はもっとオシャレな感じかと思ってたのに意外とラフだった。



それでも十分カッコ良いけど。



「行くか」



「うん」



陽が沈む前のこの時間帯はそんなに人も多くない。



人ごみが嫌いな愛翔がここにいるはずないってわかってるのに、無意識にキョロキョロしてその姿を探してしまう。



< 208 / 266 >

この作品をシェア

pagetop