不良系幼なじみとの甘い恋愛事情
「ハルも一緒に……っ」
「バーカ‼それじゃ意味ねぇだろ。俺のことは気にせず行って来いって」
「で、でも……」
背中を押されて首だけで後ろを振り返る。
相変わらず寂しそうなハルの顔。
なんでそんな顔をするの?
「振られたら慰めてやるよ。焼きそばの屋台のとこで待ってるから」
そう言って下を向いたハル。
金色の髪は真っ暗な闇の中でも目立って綺麗だった。
「あ、うまくいったらもちろん来なくていいから」
「ちょ、ハル……」
グイグイ背中を押されて、あたしは強引に前を向かされた。
「今日の美久すっげえ可愛いから……頑張れよ‼」
ハル……。
背中が軽くなったかと思うと、砂利の中を走り去る足音が聞こえた。