不良系幼なじみとの甘い恋愛事情
こんなの反則だよ。
愛翔のことしか考えられなくなる。
答えは決まってるのに言わせてくれない。
「あい、と……やめっ」
ダメだ、本当に倒れちゃいそう。
体を支えていられない。
「お子ちゃまには刺激がキツすぎたか」
力が抜けていくあたしを、愛翔はその腕で抱きとめてくれた。
「愛翔みたいに慣れてないもん」
今まで彼女がいたことがある愛翔は経験豊富なのかもしれないけどさ。
キスだって慣れてる感じだし、それ以上のことも何度もして来たのかもしれない。
想像するだけでモヤモヤする。
チクンと胸の奥が痛んで、これ以上なにも考えたくない衝動に駆られた。
知ったら傷付くってわかっていても、気になって気になって仕方ない。
過去のことをとやかく言うつもりはないけど、それでもやっぱり“なにもなかった”って言ってくれるのを願ってるあたしがいる。