不良系幼なじみとの甘い恋愛事情
目のやり場に困って仕方ない。
「と、とにかく‼早く用意してね。下で待ってるから」
バタンと愛翔の部屋のドアを閉めて、大きく息をつく。
なんでいちいち動揺してんのよ、あたし。
ちょっと大人の男になってたからって、こんなことで動揺してたら身が持たないよ。
「あの子起きた?ごめんねぇ、せっかく迎えに来てくれたのに。紅茶淹れたから座って座って」
嬉しそうに手招きして、ユメさんはあたしを食卓へと着かせてくれた。
「わ、美味しそう‼いただきまーす」
ユメさんの淹れてくれる紅茶は、葉を英国から直接輸入しているから本場の味がして美味しい。
猫舌なので息を吹きかけて冷ましていると、向かい側に座ったユメさんがあたしの顔をニコニコしながら見つめて来た。
どうしたんだろ。
「美久ちゃんと愛翔は付き合ってるの?」
「ぶっ……‼」
「あ、図星だった?」
思いっきり動揺するあたしを見て、ユメさんがクスクス笑う。