不良系幼なじみとの甘い恋愛事情
図星もなにも、そんなんじゃないですから‼
「ちっ……ちが」
そこまで言い掛けてふと考え込む。
事実だけ見れば、あたし達は付き合ってるってことになる。
深く考えていなかったけど、ユメさんにバレたら必然的に結ちゃんにも伝わっちゃう。
結ちゃんに勘違いされるのだけは絶対やだ。
かと言って告白する勇気なんてあたしにはないし、今打てる最善の手はこの偽りの関係を誰にもバラさないことくらいしかない。
ここは否定する方が無難だろう。
「あたし達そんなんじゃ……」
否定しようと口を開きかけた時
「付き合ってるよな?俺ら」
ぶっきらぼうな愛翔の声が背後から聞こえた。
びっくりして振り返ると、制服を着崩した愛翔がダルそうに立っていた。