不良系幼なじみとの甘い恋愛事情
ちょっと‼
なに言い出すのー⁉
やめてよ‼
しれっと言い放った愛翔の言葉に驚愕する。
「やっぱりー⁉だと思ったんだー‼ヒロトにも教えてあげなきゃ」
リビングのソファーに座って新聞を読んでいたヒロさんの元へ、ユメさんは嬉しそうに駆け寄って行く。
ええええっ⁉
「いや、ちょっと待って‼違うんだけど」
ポツリと嘆いた言葉は、当然のことながらユメさんの耳には届いていなかった。
ど、どうしよう……。
今更違うと言ったところで言い訳めいて聞こえちゃうかも。
これじゃ結ちゃんにも伝わるし。
最悪だ……。
ありえないよ。
愛翔は知らん顔しながら食卓について食パンにかじり付いていた。
なんだかもう一気に気分が沈んだ。
「はぁ」
あたしはただ、愛翔の暇つぶしの道具にされてるだけだというのに。
だけど、それでも告白するという選択が出来ないのは、今のままの関係でいることをあたしが望んでるからだ。
どう転んでも結ちゃんとの未来がないことに、心の底からため息をつきたくなった。