不良系幼なじみとの甘い恋愛事情
教室へ入った途端、愛翔は自分の席へドカッと腰を下ろした。
そんな姿を見て、頬を赤らめる人や、怖がって顔を引きつらせる人など反応は様々。
愛翔の席の周りは女子が多いので、明らかに前者が多いけど。
クラス中からの視線をものともせず、堂々としているその様に尊敬してしまう。
基本一匹狼で決まった人としか慣れ合うことをしない愛翔と、あたしが幼なじみであることを知っているのは、新しいこのクラスでもそんなにいない。
「おっはよーん、美久‼珍しいね、愛翔君と登校なんて」
「おはよう」
中学からの大親友であるまどかは、あたしと愛翔が幼なじみだと知ってる数少ない人の中の一人。
ボブカットがよく似合う、小柄で華奢な可愛い女の子。
底抜けに明るいまどかのそんな性格に、何度助けられたことか。