不良系幼なじみとの甘い恋愛事情
「そうだけど……振られて今の関係が壊れたら嫌だもん」
結ちゃんが笑い掛けてくれなくなったら、あたしは本気で落ち込むと思う。
「まだ振られるって決まってないじゃん」
「そうだけど……」
そうなんだけど。
でもわかるんだ。
結ちゃんは多分、あたしのことをそんな目で見ていないって。
「それが嫌なら、愛翔君と偽りの関係を続けてくしかないんじゃない?」
「…………」
やっぱりそれしかないのかな。
いくら考えてみても、結局それしか思い付かない。
「美久の気持ちもわかるけど……あたしだったら嬉しいけどなぁ」
まどかの視線がスーッと流れて、教室の後ろの方へと移る。
その視線の先にいたのは、数人でたむろしてる派手な不良グループ。
その中には愛翔もいて、周りが騒いでいるにも関わらず、興味がなさそうに一人黙々とお弁当を食べていた。
「カッコ良いじゃん、愛翔君。付き合いたいってコ、たくさんいるよ?」
ちょっと‼
まどかまで何言い出すの?