不良系幼なじみとの甘い恋愛事情
腰で履いたズボンに、カッターシャツのボタンを大胆に開けた胸元。
片耳には小さな輪っかのピアスが付けられている。
軟骨部分にも付いているのを見て思わず顔をしかめた。
ダルそうにポケットに手を突っ込んでいる姿は、どこからどう見ても不良そのもの。
同じ高校に通っていてクラスも一緒だけど、最近ではほとんど話していなかった。
「最近学校来てないよね?ちゃんと来なきゃダメじゃん」
「お前には関係ねぇだろ?俺に話し掛けんな」
「なっ……先に声掛けて来たのはそっちでしょ⁉」
心配だから言ったのに。
このひねくれ者‼
「どけよ、邪魔」
「なっ……邪魔って」
虫を払うみたいにしっしっと手であたしを払うと、愛翔はしれっとした顔で前を通り過ぎて行った。
久しぶりだというのに、この仕打ちはなんなんだろう。