不良系幼なじみとの甘い恋愛事情
手首をギュッと掴まれているせいで身動きが取れない。
「ならなんで部屋まで入ってくんだよ?」
真っ直ぐにあたしを見下ろす愛翔。
真剣なその顔は、悔しいけどカッコ良い。
「起きないからでしょ?いつも部屋まで起こしに来てるじゃん」
なんで今日だけそんなこと言うの?
「俺だって」
「とにかく‼下で待ってるから。早く用意しなきゃ遅刻するよ?」
耐えられなくて言葉を遮った。
ドキドキしてるのがバレないように、出来るだけ平然を装う。
そんなことがバレたらなんだか悔しいし。
愛翔のことだからバカにして来るに決まってる。