不良系幼なじみとの甘い恋愛事情
「早く離してよっ」
離してくれない愛翔の瞳をじっと見据える。
胸のドキドキが聞こえちゃいそうで、これ以上こうしていたくない。
真剣なその瞳はあたしの中の気持ちを読み取ろうとするようで。
思わず愛翔から目をそらした。
気まずい沈黙。
愛翔がなにを考えてるのか全然わからない。
「無防備に俺に触るお前が悪いんだろ?まぁでも……俺ら付き合ってるしな」
「え⁉」
ゆっくり視線を戻すと愛翔の顔が近付いて来ていて、視界いっぱいに広がった。
それはまるでスローモーションのように、目を見開いて固まるあたしの瞳に鮮明に映し出された。