不良系幼なじみとの甘い恋愛事情
アイツの素顔
それから何日か経った。
あれから
愛翔の家には行ってない。
迎えに来なくていいって愛翔が言ったから。
学校では相変わらずパシらされたりすることもあったけど。
もう慣れた。
慣れれば別にどうってことない。
みんなからの居た堪れないくらいの視線にも、白崎さんや金髪ギャルからの地味な嫌がらせにも。
「あ、岩佐さん」
休み時間。
トイレへ行く途中で、移動教室へ向かう岩佐さんとすれ違った。
あれから岩佐さんとは、顔を合わせると挨拶を交わすようになった。
「今から化学なの。辰巳さんのクラスは?」
無邪気に笑う岩佐さんを、すれ違う人みんなが振り返る。
「数学だよ」
にっこり笑うと、岩佐さんもさらに目を細めて笑ってくれた。
相変わらず、今日も素敵。