不良系幼なじみとの甘い恋愛事情
「俺をなんだと思ってんだよ?」
顎を持ち上げられて上を向かされる。
澄んだその瞳からは、力強い意志がうかがえた。
「……っ」
あまりにも近い場所にある愛翔の顔に、気まずさを感じて視線をそらす。
少しでも動くと唇が触れそう。
「ここまでされてもドキドキしたりしないわけ?」
鋭い瞳があたしを捉えた。低い声はさっきと変わらない。
ドキッとして胸が鷲掴みされたみたいにキュッと締め付けられた。
「なっ、なんで愛翔なんかに……ありえないよ」
嘘。
本当はありえないくらいドキドキしてる。
それがバレたらからかわれるのが目に見えてるから素直にそうだと言えない。
手に力が込められて、膝の間に愛翔の足が割り込んで来る。
「や、やめ……っ」
どうしてこんなこと……。