不良系幼なじみとの甘い恋愛事情
それにしてもバカって。
愛翔にだけは言われたくない。
だけど
その背中が悲しそうに見えて、胸の奥がズキッと痛んだ。
愛翔……。
「あんま余計なこと言うなよ」
「え⁉」
余計な、こと……?
別にそんなつもりは
ないんだけど。
「告白しろとか協力してやるとか、お前にだけは言われたくねぇし」
不意に愛翔が後ろを振り返った。
「お前に言われなくても自分でなんとかするし」
「…………」
眉を下げて力なく笑う愛翔を見て、さっき言ったことを後悔した。
余計なことを言ったばっかりに、こんな顔をさせてしまったんだ。
お節介が裏目に出た挙句、傷付けちゃうなんて。
それに
やっぱり好きな人がいるんだね。
自分でなんとかすると言った愛翔の言葉が、いつまでも頭の中から離れなかった。