不良系幼なじみとの甘い恋愛事情


…………。


確かにね。


至近距離にあった愛翔の顔を思い出して思わず赤面する。


や、やだ、あたしったら。


なに思い出してんの。



そっと愛翔の姿を目で追った。



だるそうに突っ立ってやる気がなさそうに見えるのに、いざボールが回って来たら誰よりも素早く動いて反撃に出る。



手にボールが吸い付いているかのようなドリブルをして、縦横無尽にゴールまで駆け抜けて行く。



見事に敵を交わしてゴール下まで来た愛翔は



そのままジャンプして綺麗なダンクシュートを決めた。



シュッとボールがゴールを貫いて床に落ちる音が響いたと同時に、女子の間で黄色い声が上がった。



「っしゃ‼ナイス、愛翔‼」



「ナイッシュー‼」



チームメイトとハイタッチを交わす愛翔を、ドキドキしながら見つめていた。


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