鬼畜彼氏
さて。
この場合、
「私、御令嬢じゃありませんー
その御令嬢にたかってる虫みたいな
ものですよ?」
なーんて、アホな事言っちゃうと
殺されそうだから…
ここは無理にでも
姫子先輩のフリをしないと…か。
「…なんで、私が財閥の娘だと
あのパーティーの人の中で
見つけられたんですか??」
つーか、何を持ってあんなのと
間違えられたんだ。ゆんちゃんは。
「ふん。珍しく今日はお前の所が
一般客も入れてておかしいと
思ったが、あの人混みの中じゃ
自分は見つけられねぇとでも
思ったか??」
いや、ていうかあなた方に
見つけられる筋合いが
見受けられませんしねぇ。
「お前の服だよ、服。」
「この…ドレス??」
「知らねぇとは言わせねーぜ。
そのドレスは花菱財閥の代々に
纏わる有名なドレスじゃねーか。
そんなもん着てて、花菱の娘じゃ
ねー訳ねーだろ?」
そんな自信満々に言われても…
知らねーよ!!!
えーそうなの??
あ。だから、これ着る時
あんな雰囲気だったのねー。
言ってよ姫子先輩ー(T_T)
……はぁ。
「おっけーです。
とりあえず、この手を
縛ってるのとって下さいよ?」
痛いったら、ありゃしねー。
「お前、バカか?
それ取ったら人質の意味ねー
だろーがよっ」
「お前こそ、バカか。
こんな人数の中で手なんか
縛ってよーがなかろーが、
私みたいな小娘1人が
逃げれる訳ないでしょ。
頭使えって。」
…んー、やっちまったかな?
まず、姫子先輩のフリする気
なさそうだな。ゆんちゃんは。
これで、殴られたりしたら
泣いちゃうからね!
「ぶわっはっは!
おもしれぇ。確かに、逃げれる訳
ねーよな。
いいぜ、お嬢ちゃん。
ほら、外してやれ」
お。ボスに大受け。
やりぃ♪♪
「ちっ、てめー
覚えとけよ。ぜってー
泣かすからな」
なんて、外してもらう時に
物騒な言葉を下っ端さんから
貰いましたが。
あーこわ。