鬼畜彼氏
「あー、楽になった。
さんきゅー(^ ^)」
手を縛られるって
あんな嫌なもんなんだねー。
「さ…てと、まさか
お父様とヤクザが関わってた
なんてね。」
いや、まぁ何も知らないけど。
「ヤクザじゃねーよ、
俺らは大企業だっつの!!」
…下っ端はほんと
ギャーギャーうるさいわね…
「って、え??
全員 会社員!?」
「ああ。
俺が社長だ。」
いや、さっきまで
あなたボスって言われて…
「えーと、ちなみに
なんて会社?」
誇らしげに口を開く
自称 社長さん。
「△◎社だ。」
「え…??」
いや、まぁ確かに知らないことは
ないけど…
中小企業じゃない??
「ふっ、前は大企業だったのさ。
今はもう中小企業にも
分類されてないがな。」
はぁ〜。
会社員でしたか…。
「んじゃあ、ますます
訳わかんないな。
こんな事したらもう破産じゃん」
「そんな事は分かってんだよ。
でも、お前の親父が…いきなり
俺らのとこから手を引いたんだ。
そのせいで、全てが水の泡だ。」
いや、それって逆恨みじゃ…
「まぁ、別に?
社会じゃ当たり前の話なんだがな。
それでも、電話で交わした
『うちの会社からそこ
遠いじゃん??もっと近い
とこ見つけたんだよー。
だから、契約は終わりって事で♪♪』
って、いうあの言葉が…」
「「ボス……」」
いや、あんたもちっちゃい奴
だけど、
姫子先輩のお父さんも
軽いな、おい!!
近いとか遠いの
問題じゃないでしょーに!!
そりゃ、ちょっとゆんちゃんでも
イラっとするわ。