鬼畜彼氏



「あー、楽になった。
さんきゅー(^ ^)」


手を縛られるって
あんな嫌なもんなんだねー。


「さ…てと、まさか
お父様とヤクザが関わってた
なんてね。」


いや、まぁ何も知らないけど。



「ヤクザじゃねーよ、
俺らは大企業だっつの!!」



…下っ端はほんと
ギャーギャーうるさいわね…



「って、え??
全員 会社員!?」


「ああ。
俺が社長だ。」



いや、さっきまで
あなたボスって言われて…



「えーと、ちなみに
なんて会社?」



誇らしげに口を開く
自称 社長さん。



「△◎社だ。」



「え…??」



いや、まぁ確かに知らないことは
ないけど…
中小企業じゃない??



「ふっ、前は大企業だったのさ。
今はもう中小企業にも
分類されてないがな。」



はぁ〜。



会社員でしたか…。



「んじゃあ、ますます
訳わかんないな。
こんな事したらもう破産じゃん」



「そんな事は分かってんだよ。
でも、お前の親父が…いきなり
俺らのとこから手を引いたんだ。


そのせいで、全てが水の泡だ。」



いや、それって逆恨みじゃ…




「まぁ、別に?
社会じゃ当たり前の話なんだがな。
それでも、電話で交わした
『うちの会社からそこ
遠いじゃん??もっと近い
とこ見つけたんだよー。
だから、契約は終わりって事で♪♪』
って、いうあの言葉が…」


「「ボス……」」



いや、あんたもちっちゃい奴
だけど、
姫子先輩のお父さんも
軽いな、おい!!


近いとか遠いの
問題じゃないでしょーに!!



そりゃ、ちょっとゆんちゃんでも
イラっとするわ。










< 148 / 167 >

この作品をシェア

pagetop