Kitty love
「な、んだよ」
「あの、高原 琉可せんぱい、ですよね?」
「は?」
唐突に出た自分のフルネーム、プラスつけられた“先輩”の言葉に、目の前の女から視線をさらに下げると。
見えたのは、そいつが履いてる上履きの赤いライン。
自分より一学年下である、1年生のものだ。
「ねっ、そうですよね?」
「や、まあそうだけど……なんでフルネーム知ってんの? 俺、あんたと面識あったっけ?」
なぜだか嬉々として訊ねてくる女に圧倒されながらも、俺は疑問を口にする。
だって俺は今まで確かにこの女と話をしたことなんかないし、何か部活に入っているわけでもないし。見ず知らずの奴に名前を知られている理由がまるで思いつかない。
彼女は相変わらず、何がそんなに楽しいのかというような笑顔で俺を見上げている。
「ないですけど、せんぱいは一部の女子の間では結構有名なんですよー」
「は? なんで?」
返された言葉に、怪訝に思ったことを隠そうともせず眉を寄せた。
……しかし満面の笑みの彼女の口からさらりと飛び出した次のせりふに、俺は不覚にも思わず間の抜けた声を発してしまうことになる。
「あの、高原 琉可せんぱい、ですよね?」
「は?」
唐突に出た自分のフルネーム、プラスつけられた“先輩”の言葉に、目の前の女から視線をさらに下げると。
見えたのは、そいつが履いてる上履きの赤いライン。
自分より一学年下である、1年生のものだ。
「ねっ、そうですよね?」
「や、まあそうだけど……なんでフルネーム知ってんの? 俺、あんたと面識あったっけ?」
なぜだか嬉々として訊ねてくる女に圧倒されながらも、俺は疑問を口にする。
だって俺は今まで確かにこの女と話をしたことなんかないし、何か部活に入っているわけでもないし。見ず知らずの奴に名前を知られている理由がまるで思いつかない。
彼女は相変わらず、何がそんなに楽しいのかというような笑顔で俺を見上げている。
「ないですけど、せんぱいは一部の女子の間では結構有名なんですよー」
「は? なんで?」
返された言葉に、怪訝に思ったことを隠そうともせず眉を寄せた。
……しかし満面の笑みの彼女の口からさらりと飛び出した次のせりふに、俺は不覚にも思わず間の抜けた声を発してしまうことになる。