雨情物語③<花の色は>
花の色は
花が、

泣いているように見えたのです。


だから、

花を手折ったのです。



――― あなた方は、身勝手です。


残念ながら、身勝手でない人間など、この雨の世界にはいないのです。



花は花弁を震わせて泣きました。

ごめんなさいね、わたしは花に謝りました。




だって、あなたがあんまり美しいから…。
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