雨情物語③<花の色は>
それから毎日、僕は土石流の中から花の色を見た。
日々増えていく、蕾。
開く、花弁。
薫る、蜜の香。
――― お慕いしております
――― お慕いしております
花は葉の色が見えなくなる程に咲き誇っていた。
「ツツジは一株にいくつの花が咲くんだろう」
花をつけすぎて枝が重いんじゃないだろうかと、いらぬ心配をした。
――― あなたのために、咲いているのです
雨の中で健気に咲き誇るツツジの、その色、その香り、その湿度を感じながら 日々を過ごすようになっていた。
日々増えていく、蕾。
開く、花弁。
薫る、蜜の香。
――― お慕いしております
――― お慕いしております
花は葉の色が見えなくなる程に咲き誇っていた。
「ツツジは一株にいくつの花が咲くんだろう」
花をつけすぎて枝が重いんじゃないだろうかと、いらぬ心配をした。
――― あなたのために、咲いているのです
雨の中で健気に咲き誇るツツジの、その色、その香り、その湿度を感じながら 日々を過ごすようになっていた。