大人の純愛宣言
都内のムシムシした暑い夜、私はようやく男を手に入れることが出来そうだった。いったい何年の間、彼氏に恵まれなかったか…友達が結婚し、子供を出産しその子供が3歳になるっていうのに…単純に考えたって3年以上男がいない私。
だけど、ゴムがないのに持ち帰られて…妊娠したり病気になったりするなんてもってのほかじゃないの。

急いでさっきの合コンの会場であるカラオケへ戻ると…目当ての男がいない!

「ゆ、ゆか!斉藤さんは!?」
と言うと、あんたがモタモタしてるから、帰ったわよと怒っているゆか。

それもそのはず。職場で斉藤さんを見かけたときに、好みの男だと言って、どうにかここまでゆかが合コンを開催してくれたんだもの。


がっくりとしてしまった。

大井 裕子(34)<オオイユウコ>
現在就職活動中だ。前職で上司と大喧嘩してしまい、辞表を叩きつけてしまったのだ。

「え?じゃぁあんたコンビニでコンドームとりあってたっていうの!?」笑えるわ~と言いながらギャハギャハと笑っているゆか。ゆかは親友だ。ゆかはバツ1だが、男を絶やしたことがない。

それにしたって、あの男、ホントむかつく。
結局お金を払って、飲みまくって、男にも逃げられて…散々な目にあった。



「っていうか、もう帰る。私明日面接なんだよね・・・はぁ。じゃあね・・・」

ゆかも大笑いしながら、がんばれよーと大して心配などしている様子もなかった。



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