大人の純愛宣言
翌日、髪の毛を乾かさないで寝たせいで体調を崩してしまったが、今日頑張って出勤したら連休なんだからと考えて必死に仕事にむかった。

相沢に会うことなく、昼休みになり社員食堂に向かった。

トレイにサンドイッチと、サラスパとスープ、お茶を乗せて一人テーブルに着くと

「リナ!」

と誰もが振り返る声で、相沢がこちらに向かってきた。みんなは私に注目し、ひそひそ話しを始める人までいる。


席に着いた相沢の足を思い切り、足を踏んでやった。

「ってー…何するんだよ!」


縮こまっている。

コソコソと「どういうつもり!?」

「俺たち、付き合っているんだろ?」
 
と、弱々しい返事が。そうだった。
私は約束は破りたくない。

しかし赤の他人と偽装恋愛なんて、やっぱり有り得ない!断ろう!そう思ったとこに藤井先輩がトレイを持ち「珍しい組み合わせね」と席についた。

すぐに相沢が
「実は藤井さん、俺たち、付き合ってます(ピース)」とピースした。

藤井先輩が え! と反応し、涙ぐみながらおめでとう!と大声で反応したもんだから、周りもザワザワし始める。

「ち!違います!」そういった反応ももはや私の照れ隠しととられ、否定することも出来ない。

慌てて、その場を立とうとしたら、目眩で立てず…そのまま意識が遠のいていった。

藤井先輩の悲鳴が聞こえて、フワフワとした感覚に包まれた。



相沢、私たちはいったいどんな関係なの?


そう言いたいのに…
そのままみんなの声が遠くに聞こえて、目の前が白くなっていった。







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