近い君、遠い君。





私達の幼稚園はだいぶ離れたところにあった。

自転車だと時間が30分以上かかる。
だから毎朝バスで通ってたんだ。




「…懐かしいね。」


隼也と私は幼稚園の前に自転車を停めた。


「…でも、なんで此処に?」

私は隼也の顔を覗きこむ。




「ここはー……」
「あらっ、あなた達もしかして…?」



幼稚園から出てきたのは、懐かしいあの人だった。





「「園長先生…!」」



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