近い君、遠い君。
…それからまたしばらく自転車を漕いだ。
着いたのは、隼也が習っているサッカークラブの練習場。
…隼也は地面に転がっていたサッカーボールを手に取り、
リフティングをし始めた。
何回も、何回も。
ボールが落ちることはない。
「…何回できるの?」
「…最高だと1000回以上かな」
…隼也はリフティングに集中しているようで、どこか哀しい目をしている様に見えた。
「聞いてもいい?」
私は頷いた。
「…サッカー辞めようかと思って。」