君と見た桜 ~約束~
君のお母さんが私に言った。






「久しぶり、りっちゃん」



昔からそう呼ぶおばさん。



懐かしい。




「りっちゃん、本当はね、勇気はりっちゃんに会いに行こうとしてたんだよ?

勇気の遺品の中から結婚指輪が見つかったの。

指輪に『Rikako』って刻まれてたからあなたのだと思うの…。


良かったらこれ、受け取ってあげてくれないかしら。


私からでごめんなさいね………」


弱々しいおばさんの声。



今にも泣きそうで、潤んだ瞳。



ごめんね、おばさん………


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