政略結婚～天使に導かれて～

「先生、私には、何か治療する手立てはあるんでしょうか？」

「・・・・・・正直、かなり進んでますので、痛みを食い止めること
　くらいしかできません・・・・」

「解りました。ありがとうございます。少し、これからの事を、
　自分なりに考えてみたいと思います・・・・。」

「解りました。私に出来ることがあれば、何なりと仰ってください。」

「はい、その時は、よろしくお願いします・・・。」

颯太は、部屋を出て行く医師に頭を下げ、これからの事を考え始めた。

昨夜、豊は、西園寺の皆に、子供と愛の事を言っていたが、愛は、必ず
子供を産むだろう・・・・。

そうすると残り少ない自分は、愛や子供に何がしてあげられるのか・・・。

どれだけ一緒に居られるのか・・・・・。

色んな事を考えていると、部屋をノックする音で、我に返る。