政略結婚~天使に導かれて~
そんな様子を、部屋の外で、心配そうに悠太や西園寺の家族が
見守っていた・・・。

「愛・・・・本当に、颯太さんを愛しているのね・・・・。」

「母さん・・・愛は幸せだと思うよ。」

そう、孝太郎が華英に言った。

「二人の事は、島津でも出来る限りの事をしますが、西園寺の皆さん
 にも、二人を見守ってもらいたいのですが・・・。」

そう悠太は、竜太郎たちに頭を下げた。

悠太は、頭を下げながら、自分の胸に痛みが走るのが解った。

悠太は、帰国して、颯太のマンションで愛に再会してから、ずっと
愛を見てきた。

颯太と愛の間に、自分が入れる余地はなかったが、それでも愛に
対する気持ちに気づいていた。

しかし、今回の颯太の件で、自分がやらなくてはならない事が
はっきりしてきたため、今はとにかく二人を陰ながら支え、颯太の
抜けた仕事を、自分がしっかり継ぐことに今は、専念しようと
考えていた。

「悠太君、頭を上げてください。こちらこそ、2人をお願い
 します。
 私達も、出来る限りの事はします・・・。
 私達に出来ることがあれば、何なりと言ってください。
 ご両親にもそう伝えてください・・・。」

「ありがとうございます。両親には必ず伝えます。」

四人は、二人の様子を確認し、病院を後にした。
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