政略結婚~天使に導かれて~
悠太は、二人が眠っているのを確認すると、部屋を出て
愛のいるリビングへと、足を進めた・・・。

「悠太さん、颯太は?」

「うん、暫く、僕と話をしていたけど、今は眠っているよ。
 光太も一緒に寝ているから、安心して。」

「ありがとう、悠太さん」

愛と悠太は、他愛のない話をし、そして悠太は鎌倉を後にした。


来週は、いよいよクリスマスだ。

愛は、颯太と光太と三人で迎えるクリスマスを、楽しみにしていた。

今年が最後かも知れない・・・・否、もしかすると、クリスマスも
一緒に居れないかも知れない・・・

愛の頭の中は、不安で一杯だった・・・。

愛の心は、今にも壊れそうなほど悲しいが、その感情に蓋をし、とにかく
明るく、明るく、過ごしている・・・・。

颯太には、一分でも、一秒でも、長く側に居てほしかった。

そんな気持ちを常に持っている愛は、用がない限り、颯太の側を
離れなかった・・・。
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