政略結婚~天使に導かれて~
愛は、先ほどの颯太の様子が、少し可笑しい感じはしたが、
昨夜、久しぶりのセックスに、まだまだ颯太は、大丈夫だと
確信していた。

愛は、おむつを捨て、手を洗って、寝室に戻ると、颯太が
眠っていたので、愛は

「颯太、横になった方が良いよ・・・」

と、声をかけたが、次の瞬間、颯太が息をしていないのに気が付き

「颯太・・・・颯太。起きてよ、颯太・・・颯太・・」

愛の声が段々大きくなると、光太も泣き始めた。

下にいる看護師の田中が、異変に気が付き、寝室に来ると
颯太の意識を確認し、すぐに小林医師に連絡をした。


**********

田中からの連絡を受け、小林はすぐに島津へ連絡を入れ、自分は颯太の
元へ急いだ・・・。

そして、すぐに島津の家族と西園寺の皆がやって来た。

光太は、優子が面倒見て、他の家族達は、颯太の葬儀の打ち合わせを
したりと、バタバタとしている中、愛は、颯太が亡くなった現実を
受け止めることが出来ず、颯太の遺体の側で、何も語らずに、
颯太の手を握っていた・・・。
< 143 / 225 >

この作品をシェア

pagetop