政略結婚~天使に導かれて~
海岸まで来ると、そこには愛の姿が見えた。

愛は、ゆっくりと海に向かって歩いたいた・・・・。

「愛ちゃん、愛ちゃん・・・・」

悠太は、必死に走ったが、愛は既に海に入り、腰のあたりまで
水に浸かっていた・・・・。

どうにか愛に追いつき、悠太が愛の後を追うように海に入ると

「颯太・・・颯太・・・・置いて行かないで・・・・颯太
 颯太・・・・私も行くから・・・・・・・」

「愛ちゃん!!」

漸く愛を捕まえた悠太が、愛の腕を引っ張り、海から愛を出した。

「離してよ…・颯太の側に行くの!離してよ・・・・・」

愛は、力いっぱい悠太を拒絶した。

「颯太が、逝っちゃったから、私も逝くの・・・離して・・・」

バチーン・・・

悠太の手が、愛の頬を打った・・・。

「兄さんは、そんな事は望んでない! それに光太はどうするんだ!
 光太を一人にさせるのか!!」

愛がポロポロと、涙を零し始めた時、愛は急に倒れた。

まるで、電池の切れたロボットのように・・・・・・。
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