政略結婚~天使に導かれて~
小林医師が、到着したころには、愛は、かなり高い熱が出ていた・・・。

「先生、愛は、大丈夫でしょうか?」

華英は、心配そうな顔で小林に聞いた。

「かなり熱が高いです・・・。ともすると肺炎を起こしているかも
 しれないので、愛さんは、入院した方が良いでしょう・・・。
 それにしても、この冬の海に入るなんて・・・・・
 ところで、悠太君は、大丈夫なのかな?」

「はい、僕は、すぐにお風呂に入って、温まりましたから・・・」

「とにかく、至急、病院へ運びましょう!」

小林は、皆にそう告げると、病院へ連絡を入れた。

そして、孝太郎の車で華英と君子が、付き添って病院へ向かった。

*********

「父さん、西園寺さん、兄さんの葬儀の件ですが・・・
 我々だけの家族葬にしませんか!?」

「「悠太(君)」」

「兄さんも、多分その方が喜ぶと思うし、取引先や会社の人たちには
 僕から説明します。
 それと、愛ちゃんは、葬儀には出さない方が良いと思います!」

「悠太・・。だが、愛ちゃんを出さないとなると、親戚の連中が・・・」

「それも、僕が対応します。
 今の愛ちゃんに、兄さんの葬儀に出るのは、無理です。
 そうでなくても、まだ兄さんの死を受け入れてないのに・・・・。」

「悠太君、ありがとう。愛の事を考えてくれて・・・・
 あの子の事だから、葬儀に出ろと言われれば、きっと出るでしょう。
 ただ、今のあの子では、多分心が壊れます・・・」

「「・・・・・・・・・・・・」」

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