政略結婚~天使に導かれて~
次の日、颯太は、祖父である島津建設会長の孝三に呼び出された。

「どうだ、新婚生活は?」

「・・・・・はい・・・・思った感じとかなり違って驚いたます・・」

「お前は、あの秘書とは別れたのか?」

「・・・・・・いいえ・・・・」

「すぐに別れろ。そうでないと、お前は離婚されるぞ。」

「実は、昨夜、言い渡されました・・・・」

「だろうな・・。お前は愛さんを、どのように考えているんだ?」

「ただのお嬢様で、いかようにでもなると思いましたが・・・」

「馬鹿か、お前は、だからあんな秘書に騙されるんだ!あの秘書は
 お前の金しか興味がないんだぞ。それにあの女は、子供も産めん!」

「なぜそれを・・・・?」

「儂を見くびるな!あの女は、前に付き合っていた、それも不倫
 していた男の子供を妊娠して、中絶した際、術後が悪くて、
 二度と妊娠できない体になってるんだ。
 妊娠することもないから、お前があの秘書と付き合っているのを
 黙認していたんだ。
 だがな、今、お前は結婚したんだ。
 島津には、愛さんが必ず役に立つ。
 お前が、もし、愛さんと離婚するようなことがあれば、お前は
 後継ぎから外す。後継ぎは、悠太にする。
 いいか、即刻、秘書と別れろ。そして秘書は、部署も変えろ。
 西園寺を甘く見るな!分かったな!」

祖父の話は、衝撃的だった・・・。

確かに、栞は、子供が産めないが・・・病気だと言ったのは嘘か?

ただ栞は、俺の金に興味があるわけではない。

でも、『中絶・・・・』

颯太の心の中で、何かが動き始めた・・・。
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