政略結婚~天使に導かれて~
「実は、私と光太、こっちに戻ろうと思うんです。
 出来たら、二人で住んで、私は仕事をしようと思うんです。」

「「「「「 えっ・・・・・・」」」」」

全員が、愛の言葉に驚いた。

「愛ちゃん、戻ってくるのは良いけど、仕事って・・・・」

悠太が、すぐに口を開いた。

「はい、颯太が亡くなった今、光太に父親として見せなくてはならない姿を
 私が、見せなくてはならないと思っているんです。
 それに、光太だっていつまでも私の手が、必要なわけではないですから。
 私も社会人として、社会と関わりたいし、光太にとってもその方が
 良いと考えたんです。」

「愛ちゃん、仕事の目途は?」

「はい、実は、何も決まってないんです。実家にも話したんですが
 私を知らない場所で、働きたいんです。
 社会に出る以上、甘えたくないので・・・。
 出来たら、この4月から就職出来れば、他の新入社員と一緒になれる
 ので、ちょっと捜そうかと思ってます。」

「「「「「・・・・・・・・・・・・・」」」」」

島津の皆は、黙って愛の話を聞いていた。

「それなら、愛ちゃん、島津の関連会社はどうかな?
 名前も変えて、知っているのは社長と人事部長だけ!ってのは、
 どうだろう?」

悠太が、そう愛に提案した。
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