政略結婚~天使に導かれて~
「クスクスクスッ・・・。二人とも、よろしくお願いします。」

と、愛は思わず言うと

「本当。よろしくね!」

と、今日子も、二人に挨拶をした。

そんな風に、気さくなメンバーでの研修が始まり、研修は、結構厳しく、
先輩達に叱られることも多かったが、一人一人が
島津の社員としての自覚を持ち、仕事を真摯に行うよう教育された。

愛は、毎朝、光太を車に乗せて、本宅に光太を預けた後、本宅から
電車で通勤し、仕事をして、帰りは本宅へ光太を迎えに行き、光太を
連れて、マンションへ帰るという、忙しい日々を送った。

夕食は、君子たちと一緒に食べる事もあったが、基本的には、自炊し
悠太の帰宅が早い日は、愛達の部屋で、悠太は、光太の遊び相手をしながら
愛のご飯を食べ、帰宅の遅い日は、愛が悠太の部屋にご飯を運ぶという
生活を送り、ようやくそんな生活に慣れた頃、愛達の研修期間は終了し、
予定通り、愛と今日子は、総務部へ、和哉と新太郎は、営業部へ配属になった。

新人の配属が決まると、各部署では歓迎会が行われ、その日光太は
初めての、本宅での一人お泊りをすることにした。

悠太は、颯太の遺言もあるが、普通の社員と同じように、飲み会や
同僚との付き合いは、出来るだけするように愛に、アドバイスをしており
君子も、よほど都合がつかない限りは、飲み会や付き合いで遅くなる時
には、光太を泊めるように、愛に話をしていた・・・。

この研修期間で、同期のメンバーとは、仲良くなり、特に同じグループ
だった4人は、愛を除いて、ちょくちょくご飯を食べに行ったりしていた。

< 166 / 225 >

この作品をシェア

pagetop