政略結婚~天使に導かれて~
和哉も新太郎も、神妙な顔をしていた。

「ほら、気にしないで・・・・私は、大丈夫だから。
 彼が亡くなっても、子供がいるし、家族の皆が、私達を応援して
 くれているから、何も心配はないの!」

「愛、俺達に何か出来ることがあったら、遠慮なくいえよ!!」

新太郎が、愛にそう告げた。

「そうよ、私達に出来ることは、なんでも言ってね!」

「そうだぞ、愛。俺達も、応援するし、なんでも言ってくれ!」

「皆・・・・・ありがとう。」

こうして、今日子たち三人は、愛が未亡人で、子供がいる事を
知ることとなり、その後三人は、愛の事を気にかけてくれるように
なった。

*************

歓迎会の翌週、今日子と和哉と新太郎の三人は、仕事帰りに居酒屋で
飲んでいた。

「しかし、愛が、未亡人って・・・・すごくない?」

「あぁー、ドラマの様だな・・・・」

「でも、凄いよな!俺達と同じ年なのに、仕事もし、子育てもして
 だろ・・・・・愛ってすごいよな・・・・」

「新太郎、お前は、ショックだったよな・・・・?」

「・・・・・・・・・」

「えっ、新太郎って、愛が好きだったの?」

「こいつ、一目惚れだったんだよ・・・・でも、ご飯を誘っても
 飲みに誘っても、断られていただろ・・・・でも、愛は、彼氏は
 いないみたいだったし・・・・不思議だったんだよな!?」

「・・・・・・・・・・・・・」

「そうだったんだ・・・・・でも、愛は、もう恋愛はしないって
 この間言っていたな・・・・・。
 今はまだ、旦那さんのこと引きずっているみたいだし・・・・
 新太郎、愛の事は、諦めな!」

新太郎は、今日子や和哉に愛を諦めるよう言われたが、今は
まだ心の整理がつかない新太郎は、何も言えなかった。
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