政略結婚~天使に導かれて~
悠太は、その日、久しぶりに友人たちに誘われて、居酒屋に来ていた。

「よぉー、悠太、久しぶりだな!?」

「本当、悠太ったら、いつも忙しそうで、全然飲み会に来ないんだもん!」

「椿、怒るなよ! 悠太だって大変なんだから・・・」

今日は、中学からの仲間で、中園 勇樹、鷲尾 隆二、三条 椿の三人と
久しぶりに会っている。

この三人とは、高校まで一緒で、鷲尾 隆二と悠太は、同じ大学に留学し
中園 勇樹と三条 椿は、日本の大学に進んだ。

卒業後、帰国してから、何回か皆で一緒に飲んでいたが、颯太の病気発覚後
悠太の人生が変わったため、なかなか一緒に過ごすことが無くなっていたのだ。

「悪い、悪い。本当に忙しくて・・・・毎日扱き使われているよ・・・・」

「悠太、お兄さん、残念だったな・・・・うちの兄貴も、かなり
 ショック受けてたよ・・・・」

悠太に話しかけたのは、鷲尾 隆二で、颯太の友人、鷲尾 耕平の弟だ。

「あぁー、その節は、耕平さんにも世話になった。耕平さんに、よろしく
 伝えてくれ・・・・。」

「あぁー、兄貴に伝えておくよ・・・ところで、颯太さんの嫁さん、
 どうした?確か子供もいるんだよな!?」


「うん、愛ちゃんも光太も元気だよ。今では、光太は、俺の癒しだよ!」


「へぇー、光太って言うんだ・・・・写メないのか?」


「あっ、あるよ。見るか?可愛いぞ!まるで天使だ!!」

悠太の、親ばかならぬ、叔父バカに、三人は呆れて、

「なんか、悠太、変わったね・・・・」

と、椿が寂しそうに呟いた。
< 171 / 225 >

この作品をシェア

pagetop