政略結婚~天使に導かれて~
愛は、颯太の手紙を読んで、ポロポロと、涙を零した。

「颯太・・・・・・・颯太・・・・・・・」

出てくる言葉は、颯太を呼ぶ言葉だけだった・・・・・。

愛は、颯太を失ったことは、本当に悲しかったが、今は、颯太の
残してくれた光太がいる。

光太は、日に日に大きくなっており、また颯太に良く似ている。

颯太が幸せだったと言ったが、愛もまた颯太との時間は、幸せに
満ちていた・・・。

「颯太・・・・ありがとう・・・・・・」

愛は、颯太の意志を尊重しようと思った。

西園寺に名前を替え、これからも颯太と生きた時間を大切にしながら
光太と共に生きて行こうと、そしていつか、颯太の望むように、
全てを包み込んでくれるような人が出来たら、その時は、迷わず
その人と生きて行こうと・・・・・・。

愛は、素直にそう思えたのだった。
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