政略結婚~天使に導かれて~
真っ赤な顔になった愛を見て、颯太は、

「どうした、愛?」

「う・うん、まさか自分がそんな風に言われていたなんて・・・・」

「えっ、それって愛なのか!?・・・」

「うん。100%、私。楓といつも一緒に居たのは私だし。私は、男の人
 が苦手で、あんまり話をしたことがなかったの・・・・。」

愛の言葉に、颯太は、結婚式の後、愛をレイプのように抱いたことを
思いだし

「・・・・・・・・・ゴメン、愛。俺、愛に本当に酷いことしたな・・・」

「颯太・・・・・・もういいよ。それより、望月さんて、綺麗な人だね。」

「あぁー・・・・そうかもな・・・・・」

「私、変な事言った?」

「否、愛は、俺の事、どう思う?」

「・・・・そうね。私は、この結婚は確かに政略結婚だけど、
 別に、お見合い結婚と同じだと思うのね。
 それに、家の両親もそうだから、あまり抵抗はなかったの。
 ただ、結婚してから、恋愛すればいいかな!って思っていたわ。
 でも、颯太は違ったじゃない!?
 前にも言ったように、私は、夫婦関係がしっかりしているなら
 子供が生まれても、大丈夫だと思うのね。
 でも、夫婦関係が上手くいってないのに、子供を育てるのは
 子供が可哀想だと思うの。
 別に、最初は上手くいっていたのに、後から離婚することも
 あるけど、颯太は違ったでしょ。
 だから、ああ言ったの。
 今、颯太がしていることは、望月さんに対しても、私に対しても
 失礼だと思うのね。
 それなら、私は、まだよく颯太を知らないから、今なら別れても
 傷は小さくて済むのよ。
 だから、どうするか、はっきりして!って言ったの・・」

「そうか・・・ごめんな、俺が浅はかな考えだったんだ。
 どっちにしても、きちんとするから、もう少し待っていて
 くれないか!?」

「うん、解った。」

二人はその夜、そんな話をして、お互い、少しずつ距離を縮めた。
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