政略結婚～天使に導かれて～

「そんなに笑わなくたって、良いじゃない！誰だって、欠点はあるんです。」

「それにしたって・・・・アッハッハッ・・・・」

「あ~可笑しくて、腹が痛い。また楓さんから、愛の武勇伝聞かなくちゃ。」

颯太は、本当に何年ぶりかの大笑いをいていた。

楓の話は、本当に驚くようなことばかりで、意外にごそごそしているらしく
よく、怪我をしたり、転んだりするらしく、くれぐれも歩くときは、
腕を組むか、手を繋ぐようにと注意を受けた。

愛の頭の中は、ＯＮとＯＦＦがあるらしく、夢中になると時間を忘れて
没頭し、ＯＦＦモードになると、ひたすら甘いものを食べ歩くらしく
楓さんは、その都度、付き合わされるので、勘弁して欲しいと、訴えていた。

「愛、良かったよ。愛が完璧な人間じゃなくて・・・クククッ・・」

「颯太さん、笑いすぎです。本当の私は、普通なんです。確かに、
　西園寺の娘として育ちましたが、中身は、至って普通です。
　楓に言わせると、一部、オバタリアン的な部分もあると言われるんです。」

「何したら、オバタリアンなんて言葉が出るんだ？」

「・・・あんまり、言いたくないんだけど・・・・」

「何々、教えて。笑わないから！？」

「本当に？」

「うん、絶対に！」

「ん～、前に楓と、ちょっと美味しいものが食べたくなって、温泉にも
　入りたくて、新潟の弥彦温泉ってところに行ったんです。
　その時、燕三条って言う駅で降りるんだけど、新幹線を二人で降りたら
　楓が、座席に忘れ物をしたのを思い出して、取りに戻ったんです。
　でも、新幹線のドアが閉まりそうになったので、思わず、ドアに
　手を差し込んで、ドアが閉まらないようにしてたら、駅員さんが
　飛んできて、事情を聞かれたから、楓の事を話しているうちに
　楓が戻って来て、無事、二人で新幹線から降りれたの・・・・・
　田舎だから、そんな事をしても、叱られることもなかったけど、
　新幹線を止めたのを見たのは、初めてだって！言われた・・・・」


「ブッハハハッ・・・・・あ～駄目だ。愛、可笑しすぎる・・・」

「んもう！笑わないって言ったじゃない！颯太なんか知らない！
　お休み！」

愛は、拗ねて、布団をかぶって寝てしまった。