政略結婚~天使に導かれて~
愛が眠ったのを確認すると、颯太は、病室を出て、談話室へ行き
再度、西園寺の両親達に頭を下げた。

「本当に、すみませんでした。愛は、今、また眠り始めました。」

颯太は、そう愛の様子を話と

「颯太君、愛の事を、どう思っているかね!?」

竜太郎が、颯太に聞いた。

「はい、結婚は政略結婚でしたが、僕は、愛さんの事を今は、愛してます。
 お互いが知り合って間もないですが、日々お互い理解し
 合えるようにここまで来たんです。
 僕が、前の恋人と、別れるのがもっと早かったら、今回のような
 事にはならなかったと思っています。
 それと、今回、刺されたショックで、愛は、妊娠していたのですが
 流産してしまいました。
 そんな僕を、お義父さん達に許してもらえるなら、愛の側に居て
 愛と、再度頑張って行きたいと思ってます。」

颯太の、『流産』という言葉に、一同が息を飲んだ・・・・。

「じゃー愛は、妊娠していたんですか?」

愛の母の華英が聞いた。

「はい・・・・・・・」

「おばさま、それは、今日、解ったんです。」

「どう言う事、楓ちゃん?」

「はい、今日、愛から電話があって、もしかすると・・・って言うので
 私が、検査薬買って、愛の所へ行ったんです。その時、陽性だったので
 来週にでも、颯太さんと病院へ行くから!って、話になっていたんです。
 でも、その時に、事件になってしまって・・・・・・」

「「「「「・・・・・・・・・・・・」」」」」

皆は、黙ってしまった・・・。

運が悪かったとしか言いようのない事実だ!

西園寺としても、島津としても、今回の事件といい、愛の流産といい、
お互い、何ともやりきれない事だった。
< 62 / 225 >

この作品をシェア

pagetop