政略結婚~天使に導かれて~
2人にとっての、今回の事件そして流産は、悲しい事だったが、
2人にとっては、より絆を深めることになる。

その後愛は、予定通り1週間で退院した。

マンションは、二人で話し合った上で、引っ越しをすることにし、
物件は、島津が建てた物件で、今までの駅の反対側のマンションに
移り住むことになり、それを一番喜んだのが、楓だった。

「やった~。今までよりも近くなったね!」

楓は、とても喜び、愛が入院中の引っ越しを、率先して手伝い
両家の母達の元、今までと変わらない雰囲気の部屋作りをした。

だから、愛は退院するときには、新しいマンションへ帰り、
楓のコーディネートの部屋の素晴らしさに、愛は感激した。

実家の母も、1日置きくらいで顔を見せ、島津の母も、よく連絡を
くれ、皆が愛を気遣ってくれていた。

そんな日々を送っていたある日、颯太が

「愛、7月に入ったら、少し纏まった休みが取れそうなんだ。
 どうだろう、新婚旅行にも行ってないから、この際、新婚
 旅行に行かないか?」

「えっ、新婚旅行!?」

「うん、そうだ!どこに行きたい?」

「嬉しい!そうだな・・・のんびり出来そうな所がいいなぁ~
 時間に関係なく、のんびり過ごせるところに・・・・」

「そうか・・・・・。じゃー、愛もどこが良いか、考えておいて。
 俺の方でも考えるから。」

「うん、解ったわ!」

愛は、退院以来、少しづつ元気を取り戻して来ていたが、時々
悲しそうな表情をするのを、颯太は気づいていた・・・。
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