政略結婚~天使に導かれて~
颯太の家族
豊は、颯太が今までに休みを欲しがったことがなかったので、正直
驚いたが

「どうするんだ?10日も・・・・」

「あぁー、愛も少し元気になって来たから、新婚旅行に連れて
 行きたいんだ・・・・。」

颯太は、少し照れながら豊かに言った。

そんな颯太を見た豊は、驚きながらも

「解った。仕事の調整は、相楽と木村にさせて、お前は、休暇が
 取れるようにすればいい!その分、帰って来たら、存分に仕事を
 してもらうぞ!」

「解っているよ。じゃー、頼むよ・・・」

颯太は、豊からの許可を経て、自分の予定を立て始めた。

栞が秘書を辞めてから、颯太は、今まで総務部にいた、木村 大輔
という男を秘書に抜擢した。

大輔は、颯太と入社が一緒の同期で、大輔は、入社当時
から総務部に配属になり、性格的に営業をするタイプではなく
どちらかというと、縁の下の力持ち的な仕事が向いていた。

そんな大輔は、営業には向いていなくても、頭の回転が速く、
周りに気配りができ、颯太の同期の中でも、一目置かれている男だった。

栞が颯太の秘書を降りてから、相楽が担当してくれていたが、相楽も
7月末で退職するため、6月から大輔が相楽について、秘書課の仕事を
教えており、専務室に戻った颯太は、相楽と大輔を呼び、

「悪いが、7月の後半、10日程休暇を取るので、そのように調整
 して欲しいんだが!?」

二人は、驚いた顔をしていたが、新婚旅行に出かけると聞き、快く
承諾してくれた。
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