政略結婚~天使に導かれて~
颯太は、薬のせいでぐっすり眠っており、愛は、颯太の青白い顔を
見て、涙が出てきた・・・。

「颯太・・・・こんなに具合が悪かったなんて・・・・
 もっと早く、病院へ来ればよかった・・・・。」

「愛ちゃん、仕方がないよ・・・・兄さんもまさか倒れるなんて
 思ってもいなかったと思うし・・・」

「でも・・・私が一緒に居ながら・・・颯太・・・ゴメンね」

「愛ちゃん、愛ちゃんのせいじゃないよ。私がもう少し颯太の
 仕事量を考えなくてはならなかったのに・・・・すまない・・」

「お義父さん・・・・」

三人は、今は自分たちを責める事しか出来なかった。

「・・・・う・・・ん・・・・」

「颯太・・・颯太・・・・」

「う・うん・・・ま・な・み・・・・」

「うん、私よ。颯太、どこか痛いところない?」

「うん、今は大丈夫・・・俺、どうしたんだっけ・・・」

「兄さん、会議中に倒れたんだよ。覚えてない?」

「あぁー、そう言えば・・。立った瞬間に、目の前が真っ暗になったんだ
 俺は、どうしたんだ?」

「颯太、暫くは入院して、検査を受けろ。貧血があって、それで
 倒れたんだ・・・」

豊は、颯太に言い聞かせるように言った。
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